乱華SS
「…?食ったけど。それが何」
さも当たり前だと言わんばかりの心に、俺の怒りのボルテージは最高潮に達した。
よし、お前覚悟しろ。
「ちょ…イタッ!何すんの!」
「うるせー!お前俺のタルト返せ!」
心のほっぺをムギュっとつねり、ほらと手を差し出す。
「いや、意味わかんないんですけど!
アレあんたが昨日買って来たんじゃん!私に」
「知るか。それは昨日の話だ!」
「横暴!」
「うるせぇ!
今!!俺が食いたいのにねぇとかふざけんな!」
ぎゃぁぎゃぁ言い合いながら、そのまま取っ組み合いの喧嘩へと発展していく。
…我ながらガキくせぇ気もするが。
今はそんな事関係ねぇ。
この腹の虫どうやって抑えようか。
「お前がふざけんな!何様だ」
ソファーの上で手を組み合う形のまま、心が抗議する。
何様か?なんて聞かれたら間違いなくこう言うだろう。
「俺さっ……ま!」
「‼︎えっ…ちょっ…」
だけど俺様。とはハッキリ言えず、その時ソファーに完全に乗っていた俺は、ズルッと手を滑らせた。
そしてそのまま、俺の身体を支えきれなくなった心と共にソファーへと倒れこんだ。
「…」
「……おい、早くどけよ」