乱華SS
「だーかーらーどいて下さい、だっつってんじゃん?」
「…ドイテクダサイ」
俺が退く気がない事を悟り観念したのか、面倒になったのか…
おそらく後者だろう。
不満げな顔をして、片言で早口に言った。
その屈辱的な表情が、少し可愛いとか思った俺は、完全に油断していた。
ドカッ
「いっ…!?」
「さっさとどけって言ってんだよ。このドアホ!」
派手に膝蹴りを食らった俺は、悶絶してその場にしゃがみ込んだ。
「お前!俺のが使いモンにならなくなったらどーしてくれんだよっ!!」
「その時は女になって生きろ」
フッとバカにした様な笑みを浮かべる心は、ソファーに座り直しハニーブラウンの髪の毛を手櫛で整える。
「ふざけんなよ!!」
それじゃぁ何もできねぇだろ!!
本当、可愛げのねぇ女。
やってらんねぇよ本当。
その後の俺は言うまでもないが1日中イライラして過ごした。
おしまい。