乱華SS
2人がずっと見ていたであろう雑誌が私の目に入る。
その姿がさらにおかしいのか、余計に声を上げて笑う2人に、自分の顔から火が出るんじゃないかというくらい熱くなった。
「…これ」
「あ?それは【月刊猫のココロ】だな」
ヒーヒー言いながらもタクが、それを持ち上げて私にわかりやすく見せる。
机の上にはその猫の雑誌を始め、同じような動物の雑誌が2、3冊乱雑に置かれていた。
エロ本なんざ一冊たりとも見当たらない。
「ーーーーー!」
声にならない声を上げて、ソファに顔を伏せる。
マジで恥ずかしいんですけど!
え、私勝手に勘違いして怒ってたとか。
何やってんの。
穴があったら入りたい!
「お前、これのどこがエロなんだ〜?
勘違いしちゃうお前の耳の方がよっぽどエロじゃないのよ〜?」
「俺達ただ、猫のタイプの話してただけなのに。…お前ときたら」
修のケラケラ笑う声にはもう何も言えない。
タクの呆れた声にも言い返せない。
バカにされようがなんだろうが、もうこの空間を耐えるしか私には残されていないようだった…
お願いです。
颯人でも正宗でも司でも誰でもいい。
早くここに帰ってきて下さい。
切実にお願いします。
おしまい