乱華SS
「…うるせぇ」
再びヒートアップしだす私達に、絶対零度の声がした。
それはもちろん颯人で、寝起きだからかその声から察するにすごく不機嫌と思われる。
こっちもここの総長様の不興は買いたくないので、タク共々口を閉じ颯人を見やった。
「「……あ」」
「…あ?」
「…颯人、それ」
うん。ちょっと待って。
さっきは気づかなかったけど、颯人が小脇に抱えてるソレ。
…え?
「ああ。ちょうどいい高さだったから枕代わりに使った」
それがどうした?って感じの颯人。
「…いや、それ私のメイクポーチじゃん」
「……へぇ」
狼狽える私達をよそに、それがどうした?と言わんばかりの颯人。
「…いや、へぇじゃねーわ!!
颯人何そんなもん使って寝てんだ!おかげでこっちはいー迷惑だっつーの!」
幹部部屋にはタクの叫びにも似た声が木霊していた。
おしまい。