乱華SS
コレ、と司にあるものを見せる。
訝しげな表情の司は、身を乗り出してソレをまじまじと見ていた。
四角い手帳型の小型ゲーム機の画面に映し出されるタイトル。その名も…
「ラブファイター(ゲーム)」
「オマエ何やってんの!?それエロゲー…」
そこに映し出されるタイトルを棒読みで言う私に対し、司は顔がだんだんと赤くなって行く。内心おもしろい、と思いながら知らない振りをした。
「…エロゲ?てか、まだやってないよ。タクと修が“お前はこれでもやって勉強しろ”とか言うから」
それは本当の事。
さっきお昼を買いに行くとかで、ここを出て行く前に私に渡してきたそれ。
やたらと胸が強調されたいて、妖艶な表情の女の子の絵が描かれた、どぎついピンク色のそれ。
一体私に何の勉強させるつもりだよ。
「…あの2人が何したいかなんて考えたくないけど、つか考えたら頭痛くなるけど、この際そこは置いとく。…なんで俺が!そんなのしなきゃなんねーんだよっ!!」
まぁ、そこは同意するけど。
本当、何考えてんだが。