夜と紅と蒼と……
自立しようと意気込んで家をでたものの、現状はなかなか厳しかった。
なにぶんこの容姿だ。なかなか普通に雇ってもらえない。
おまけに昼間に仕事をするのは体質的にかなり無理があった。
夜の街で働いてもみたが、なにぶん喧嘩っ早い性格が災いして酔った客との揉め事が絶えず、むいてないと悟ってすぐに身を引いた。
幸い室内にいることが多かったため、パソコンを扱うことには長けていたから。
データ入力の仕事や、時にはネットで集めた情報を駆使して携帯を利用したちょっとした小銭稼ぎ等もしながら、仕事を探して転々と町を渡ってきた。
安くて二十四時間利用できるネットカフェやカプセルホテルがとりあえずの宿がわり……
――そしてこの町へきた。
ところがなかなか休むのにいい場所がみつからない。
どうやらここは小さな工業団地と住宅地ばかりで娯楽施設らしきものはあまりないようだ。
歩きっぱなしで疲れたので、とりあえず公園でも探して休むことにした。
『少し休んだら、夜が明けるまでにどこか探さないと……昼間の紫外線はかなりやばいよなあ……』
そんなことを思いながら歩いてるうちに、小さな公園らしきものを見つけた。
そして誰か先客がいるのに気がついた。