夜と紅と蒼と……
紅葉の反応は当然のこと。予想通りの反応を見ながら、それでも落ち着いた口調を崩さず蒼太は続ける。
「少しでいいから、紅葉さんの力になりたいんです」
本心だった。
毎日休むところを探して、仕事を探して……そんな生活は大変だろう。少しの間でも休んでもらえたらと思った。
「お互い何も知らないじゃん」
「そんなのしばらく一緒にいたら分かるでしょう?」
「あたし、こんなんだよ」
「綺麗ですよね」
「~~っ。わけわかんない」
明らかに困惑して、疑問を投げかけてくる紅葉に、蒼太は笑いながら
「力になりたいってのは本心ですけど、ほんとはですね」
しばらくの間をあけて言った。
「僕が一緒にいたいんです」
紅葉の目が更に見開かれる。その言葉に思わずぽかんと口を開けて絶句した。
返す言葉もみつからない。相手はいたって真面目に言ってる様だが……
蒼太には本当に驚かされる。
こんな風に言われたのは初めてだった――