夜と紅と蒼と……
家をでて、しばらくの間、大きな街で夜の店で働いていた頃のこと。
夜の街で働く人達は、皆それぞれ色々抱えてる人が多いせいか、余計な詮索はしないし、紅葉にも優しかった。
大きな街だったから色々な人種の人やファッションで髪や瞳の色を変えている人も多かったから、そんなに気にならなかったのかもしれない。
結局、酔って絡んでくる客に我慢ならず店をやめてしまったのだが……
その頃、人並みに何人か異性と付き合ってみたこともあった。
最初はお互い気軽につきあってるつもりでいるのだが、だんだん彼女の事をよく知るにつれて、彼らは面倒だと離れていった。
確かに仕方ない事だったのかもしれない。
彼女は普通の環境で生活するのは難しい。
日の光の下、普通の格好で出歩くことすら難しい。
それにあわせて付き合うのは確かに面倒だろう。
無理をして一緒にいたところで長続きしないのは目に見えていた。
彼らを責めることは出来ない……
――なのに蒼太は
アルビノについて調べたと言った。
そして、今、一緒にいたいんだと言う。
力になりたいとも……
「嫌……ですか?」
少し不安そうな顔をして、蒼太はじっとこちらを見ている。