コンテニュー
ビルの縁から下を見る。
まだまだ早朝だし、通行人は少ない。
出勤している人もいないだろう。それにここからなら、歩道じゃなく二階部分のせり出した屋根に落ちることになる。
誰も巻き込まずに済むだろう。
街のどこかから、サイレンの音が聞こえてくる。ここに向かって来ているんだろう。
ポケットの携帯には今なお途切れることがなく着信が来ている。
携帯を取り出し、そっと屋上に置く。
スーッと大きく深呼吸し、新鮮な空気を肺に送り込む。
心が洗われていくように感じた。清々しい気分だ。
空へと両手を広げ、大気を受け止めるように前へと一歩踏み出した。
刹那、体は支えを失い急速に落下を始める。はじめは安らいだ気持だった。
落ちるまでのわずかな時間だったが、迫る地面を目にした瞬間、恐怖に囚われる。
目は地面から逸らすことはおろか、瞬きすらできない。
嫌だ! 死にたくない! 助けてよお母さん!と頭の中で叫ぶ。
地面が速度を上げて迫ってくる。本能的に頭を腕で守る。
その瞬間すべての感覚がなくなり、暗闇が訪れた。
まだまだ早朝だし、通行人は少ない。
出勤している人もいないだろう。それにここからなら、歩道じゃなく二階部分のせり出した屋根に落ちることになる。
誰も巻き込まずに済むだろう。
街のどこかから、サイレンの音が聞こえてくる。ここに向かって来ているんだろう。
ポケットの携帯には今なお途切れることがなく着信が来ている。
携帯を取り出し、そっと屋上に置く。
スーッと大きく深呼吸し、新鮮な空気を肺に送り込む。
心が洗われていくように感じた。清々しい気分だ。
空へと両手を広げ、大気を受け止めるように前へと一歩踏み出した。
刹那、体は支えを失い急速に落下を始める。はじめは安らいだ気持だった。
落ちるまでのわずかな時間だったが、迫る地面を目にした瞬間、恐怖に囚われる。
目は地面から逸らすことはおろか、瞬きすらできない。
嫌だ! 死にたくない! 助けてよお母さん!と頭の中で叫ぶ。
地面が速度を上げて迫ってくる。本能的に頭を腕で守る。
その瞬間すべての感覚がなくなり、暗闇が訪れた。