愛しき日々へ
「それじゃあ、いこうか。」
笹木さんはそういうと歩き出す。
不安と戸惑いの中で俺もその後を追い家に入ると中も外観を裏切らない豪華さだ。
壁に飾られた大きな絵とか花瓶とか置物とか、全部すごく豪華で俺の常識は多分ここでは通用しなさそうだ。
「烈、いるんだろう。」
その笹木さんの声にふと聞こえた足音の方を見上げる。
二階に上がる無駄にでかい階段の上にいる赤い髪の男。
彼が、獅子神烈…?
「そいつか?」
「あぁ。ちゃんとDNA鑑定の紙も渡して置いただろう?」
「はっ、分かってる。」
あぁ、嫌だ。
俺を見るあの人の冷たい視線が痛い。
居心地が悪すぎて俺は顔を下にさげるしかできなかった。