愛しき日々へ
「あぁ~!楽しかった!」
そういって出る砂羽に俺は思わず溜まった息を吐き出した。
てか、こいつガチで初めてか?
初めてにしてゲームクリアってどういうことだよ。
俺も何回かやってるがクリアなんて一度もなかったのに…。
てか、俺も終盤結構いっぱいいっぱいだったのに砂羽と言えば余裕の表情を崩さずに打ちまくっててるし。
この子には怖い物なんてねぇーの?
そういうことなの?
そもそも、あのゲームをおもしろいと思える砂羽が逆におもしろいつーの。
「楽しかったか?」
「うん!あ、ごめん…はじめて来たからついはしゃいで…。」
すこししゅんっとなった砂羽は子犬みたいで可愛い。
「砂羽が楽しければそれで良い。さて、次はなにしてみる?」
照れ隠しにぐしゃっと頭を撫でると柔らかくて指通りの良い金色の髪が指から零れ落ちた。
そのまま、砂羽の手をひいて歩き出す。
砂羽の手は俺よりも一回りほど小さくて、なぜか無意識に笑っていた。