愛しき日々へ
翌日、目が覚めると11時を回っていた。
いつもの用にシャワーを浴びた後、ズボンだけ履いて寝室に戻る。
クーラーを入れて、煙草に火をつける。
優等生と周りには言われる僕だが、そんなの外だけの話だ。
そもそも、烈の血が入ってるんだし世間で言ういい子に育つ分けない。
煙草を吸いながら乱暴に髪を拭いていると、ノック音が響いた。
「開いてますよ。」
そういうと、扉がひらき入ってきたのは僕と似たような恰好をした紅夜だった。
一応、シャツを引っ掛けているらしいがすべてボタンは開いているので意味がない。
「銀一、煙草くれ。」
「切れたんですか?」
そういいながら煙草を差し出すとわずかに女の甘い香水の匂いがした。