愛しき日々へ
「よしっ!」
「ありがとうございます。」
自然と出た感謝の言葉と笑顔に内心僕自身も驚いた。
僕、自然と人にお礼言えたんですね。
そう思いながら適当な席に座るとキッチンの方に目線を送る。
ここから時々見える砂羽君はなんだか少しだけ可愛く見えた。
「文句は聞きかねーからな。」
三人分のオムライスとスープを置いた彼はさっきより乱暴になった口調でそういうと開いている席に座る。
これはきっと彼なりの照れ隠しなんだろう。
「ありがとうございます。」
「ありがと、弟くん。」
紅夜もそういってお礼をいい僕はオムライスを口に入れる。
素朴だけど何だかやさしい味が口に広がって素直においしかった。
「訂正入れますけど、俺生物学上は『女』ですから。」
砂羽君の言葉に頭から考えていた何もかも吹っ飛んだ。
は…?女の子?
その声に隣で吹き出した紅夜に慌てる砂羽君だが僕の頭はパニック状態だ。
まさか、できたのは弟ではなく、妹だったらしい。