Lightning

「帰ってきたの…ジョン」

蒼い髪、長身の若い女性が、ジョンに声をかける。

コリンズ・エヴァーズマン。

アメリカとチェチェンのハーフ。

父親は元アメリカ陸軍第75レンジャー連隊、母親はデュラハン社の前身となった傭兵部隊で最高の狙撃手だった。

透き通るような肌の白さ、アルビノ（先天性色素欠乏症）のような蒼い髪と、ジョンをも上回る180センチの長身。

加えて愛用の銃もバレットM82と、ほぼ母親同様の特徴を持つ。

オリーブドラブのポンチョと同色のベアトップ、ホットパンツを着用したその姿は、知る者が見れば母親と瓜二つであった。

女性でありながら12.7ミリ弾使用のアンチマテリアルライフルという反動の強い銃を使用するのには理由がある。

完全義体化による戦闘サイボーグの普及により、それまで主流だった5.56ミリ弾、45ACP弾程度の弾薬では、太刀打ちできなくなってきたのだ。

これらの弾丸では義体へのマンストッピングパワーが足りず、下手をすればサイボーグの驚異的な身体能力や動体視力で回避されたり、捌かれたりして反撃を受ける可能性がある。

その為、対人ではなく対物として開発されたアンチマテリアルライフルを扱う事で、サイボーグに対抗しているのだ。