Lightning
ニンジャの青年は、眼下を見下ろす。

…超高層ビルの下、大型の兵器がオフィス街を蹂躙していた。

二足歩行で歩き回り、機関砲や対戦車ミサイルで武装した兵器。

『無人機』と呼ばれるものだ。

高度な赤外線センサーを備え、屋内での掃討なども視野に入れ、軽量化と高機動化がなされている。

歩兵に随伴、協働できる能力も持ち、自律行動で作戦を遂行する事も可能。

全高5メートル前後で、ロケットランチャーにも耐える堅牢な装甲を持ち、脚部を折り畳んだ状態ではトラックでの輸送も可能。

脚部は有蹄類特有のES細胞を遺伝子操作して作り出した人工筋肉で、広い稼動範囲と柔軟な動作を実現している。

元々は軍事用に開発されたものだが、近年では警備用、防犯用にも配備される。

その無人機が暴走し、オフィス街で暴れているという通報を受け、青年はここにやって来ていた。

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