Lightning

「な…何が狩るだ…ホロコースト野郎め…」

スタンロッドからの高圧電流のせいで、体が上手く動かない。

全身のCNT筋繊維に激痛が走る。

「おいおい、ホロコーストは第二次世界大戦中のナチスドイツがユダヤ人に組織的に行った大量虐殺だろ？俺は虐殺なんてしていない」

「罪もないホームレスを何十人も殺しておいて何を言う…このサイコ野郎…ブラックアウトカムズは…貴様みたいな連中ばかりなのか…」

「まぁな」

跪いたままのジョンの前に、アレクトロはしゃがみ込む。

「ブラックアウトカムズは、トップのロスティスを筆頭に、戦場や紛争地帯で人を殺して回った戦争犯罪者ばかりをコントラクターとして集めたPMSCsだ」

「な…何故…貴様らのような殺人鬼を…」

「何故？」

立ち上がるアレクトロ。

「おかしな事を訊くんだな。決まってるじゃないか。戦場は人を殺す場所だからさ。人殺しが嫌いな奴は、PMSCsのコントラクターなんて務まらない…高い費用払ってサイボーグ化手術まで受けて、完全義体化してるのは、人殺しを愉しみたいからだ。お前だってそうだろ？」