Lightning
更に状況を確認する。

石油タンクの天辺。

黒い特殊作戦用義体のサイボーグが、手摺りに拘束されたコリンズの傍らに立っている。

ロスティスだ。

腕組みして、対岸で包囲網を敷く警察や戦術自衛隊を嘲笑うように睥睨している。

この位置から確認できるのは彼だけだが、恐らくブラックアウトカムズの他の幹部も、どこかにいる筈だ。

コリンズの身の危険もあるし、コンビナートを盾に取られている以上、一刻の猶予も許されない。

建物の屋上から飛び降り、ジョンは早速コンビナートへの潜入を開始する。

河口に足を踏み入れ、潜水。

対岸までは100メートルといった所か。

一気に潜行する。

この程度の距離、息継ぎなどしなくてもサイボーグなら問題はない。

コンビナート側まで泳ぎ切り、音を立てないように水から上がる。

…早速警戒に当たっている兵士が、ゆっくりと歩いてくる。

素早くタンクの陰に身を隠すジョン。

潜んだままやり過ごし。

「!!」

背後をとって、腰に帯びたカーボンナイフで喉を掻き切り、始末する。

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