Lightning
無事警備兵と無人機二機を沈黙させた。

が、この騒ぎだ。

ロスティスには気付かれている筈。

急がなければコリンズが危ない。

コンビナート内を走るジョン。

その首に。

「ぐっっっっ?」

突然ワイヤーが絡みついた!

高周波ブレードで切断しようとするも、それよりも早く両腕に、両足に、胴体に、蜘蛛の巣のように張り巡らされたワイヤーが巻き付いていく!

「一応言っておくが、それは完全義体化サイボーグのパワーにも耐えるタングステンワイヤーだ。戦車等の装甲に使う純タングステンと言えば、理解できるだろう?」

そんな言葉と共に身動きできないジョンの前に現れたのは、ロスティスと同じ黒い特殊作戦用義体の男だった。

長い黒髪、神経質そうな顔。

その右手の薬指の先から、ワイヤーは伸びているようだった。

ワイヤーを取り外した男。

彼は。

「俺はブラックアウトカムズの…」

親指の先から伸びた超音波振動メス(ハーモニックスカルペル)で。

「ルイス・ガラビーナだ、よろしくな」

ジョンの胸板にゆっくり、じっくりと大きな切り傷を刻み込んでいった。

胸に滴る、白い人工血液…。

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