*元カノは帰国子女*
2*運命
「ただいまー。」
『おかえり、遅かったわね。』
「沙奈にアイス奢ってた。」
『うふふ、相変わらず仲良いのね。』
母ちゃんのその言葉は
嬉しかったけど少し恥ずかしかった。
俺は黙って自分の部屋に行こうとした。
『あ、涼平待って』
「ん?」
母ちゃんがテーブルの上にあった
一枚の紙を俺に差し出した。
『同窓会のご案内ですって。』
「同窓会…?早くね?」
『今年高校卒業でしょ?
県外の大学へ進学する子もいるだろうし
良い機会なんじゃないかって。』
高田小学校…懐かしいな。
たまに連絡取り合う仲間もいるけど
ほとんどが違う高校に進学して
今は何をしてるのかさっぱりだ。
『あ、そういえば
真子ちゃんには連絡行って…』
「あぁ!し、宿題やんなきゃ!」
俺は大急ぎで自分の部屋に駆け込んだ。
宿題なんてない。
あってもやらない。
でも、
"あの名前"が聞きたくなかった。