期間限定★カップル
「あー…こんな俺でいいの…?」

「あ、あきらくんがいいの!!」

他にはいないだろう。
こんな人。


「えっと、俺でよければ、よろしく…。」

にこっと微笑んで私の頭をぽんぽん…。

「へ…?いい…の…?」


「いいって言ったじゃん。聞いとけよ~」

「うっ、うわわっ、ちょっ!!」

照れかくしなのかわかんないけど、次は頭をぐしゃぐしゃ。

「あぁー…でもさ、1つ言わなくちゃいけないことがあんだよね…」

「な、なに?」

「俺、大学は県外に行くんだ。だからつきあえるのは高校生の範囲だけになるけど…」

「えっ…」


その話は聞いたことなかったから知らなかったけど、あきらくんは確かに頭いいし、行くところも県外の国公立だろう…。

頭の悪い私には遠い大学。


「い、今はそんなこと考えない!!県外の大学に行くかもしれないけど、その時はその時で考えるから、今を楽しもう!!そんな不安を抱えたままつきあいたくないよ!!」

高校生の期間だなんて狭いけど、私はそこで終わらせたくないし、県外に行っても思い続けてやるって思えるから…。まだ高3にならないとわからないけど、そんな悩みを抱えたままつきあうのは嫌だ。


「そうだな…うん。じゃあ、つづく限りよろしくなっ!!」


――ちゅっ


「へ…えぇっ!?」

ほほ、ほっぺにっ…ちゅう!?


「あははっ、やっぱあゆむは面白いわっ。」

腹を抱えて笑うあきらくん。
そ、そんなに笑わなくても…。結構笑ってるし…。

「はぁー…笑った、笑った。さ、教室に戻るか。ん。」

『ん』と同時に出されたあきらくんの手。
手を出されたってことは、手を…つなぐの…!?
わ、わたし、家族と女の子以外は手をつないだことないよっ!?
ど、どうしよう…。

「おそいっ、ほら行くぞ」

「わっっ」

無理やり私の手をつかんで手をつなぐ形に…。

あきらくんの手、あったかいし、おっきい…。
やっぱり、男の子の手は違うんだなって。

こんなことできるから、やっぱ慣れてるのかなって思って私の前を行くあきらくんを見たら、髪の間から出ている耳が真っ赤…。


「ふふっ」

「な、なんだよ」

「なーんでもっ」

ちょっと可愛いなって思ってしまった。


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