心を全部奪って
ふと我に返って下着を隠そうとした両腕を、霧島さんはあっさり阻止してベッドに押さえ付ける。


両脚をバタつかせてみても、霧島さんの体重でほとんど動かなかった。


「こんなことしたって、何も変わらない…」


涙目のまま、霧島さんを見上げる。


私の視線に一瞬目を逸らす彼。


でも、すぐに私の顔をじっと見つめた。


「絶対、変わる…」


「変わらない」


「そんなの、やってみないとわからない…」


「必要ない」


誰が何を言ったって。


何をしたって。


私の気持ちは絶対に変わらない。


そう強く思う私なんておかまいなしに、霧島さんは私の首に自分の唇を押し当てる。


その熱い唇は私の耳、首、肩を縦横無尽に駆け回って。


押さえ付けられた腕の痛みとはまるで違う甘く優しい感触に、瞼と唇をぎゅっと閉じた。

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