心を全部奪って
霧島さんのキスは止む事なく私の身体に落とされ、二の腕から脇、ウエストラインへと場所を移動していく。


無意識にしなる背中とベッドの隙間に霧島さんの顔が入り込み、気が付けばうつ伏せにされていて。


下着一枚のままの無防備な私の背中を、まんべんなく愛撫する彼。


背中を刺激する彼の柔らかい前髪と唇の感触に、思わずシーツにぎゅっとしがみついた。


「声、我慢しなくていい」


吐息混じりに霧島さんが言った。


声…?


声なんか、絶対出すもんか。


この人の愛撫でなんか、絶対に出さない。


必死に堪える私が気に入らないのか、私を仰向けにする霧島さん。


逃げようとしたのも束の間、彼の手が伸びて来て私の膝に触れた。



「……っ!」


するするとスカートが捲れ上がって、次第にあらわになる太もも。


そこへ彼の顔が移動する。


すると彼は、階段を一歩ずつ上がるように唇を移動させて。


次第に、


私の下着の周辺を愛し始めていた。

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