心を全部奪って
霧島さんは私の下着を取り去ることなく、ただ周辺にキスを繰り返す。


焦らされる感覚に身体の中心が疼き始めて、無意識に腰がうねってしまう。


「声をガマンしてても、身体は正直だ…」


「や、だ…っ」


ひどい。


この人はこうやって、私の反応を見て楽しんでいるんだ。


だけど確かに、下着なんか取り払わなくても。


一番弱い場所に触れられなくても。


私の理性を飛ばすには充分過ぎるくらいだ。


でも、それでも。


どうにか声を上げるのだけは堪えた。


絶対に負けたくなかった。


もし負けてしまったら、


工藤さんを失ってしまうような、


そんな気がしたから。


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