心を全部奪って
「あとさ…」
「まだあるんだ?」
クスッと目を細めて笑う義兄さん。
なんだかちょっと恥ずかしかったけど、俺はそのまま話を続けた。
「おとなしくて、口が固そうだし。
不倫してるなんて、絶対人にしゃべりそうにない。
そういう子だと、相手の男は不倫しやすいだろう?
絶対、いいように利用されてるんだ」
そんな卑怯な男のこと、純粋に想って。
バカ過ぎる。
「なぁ、拓海」
義兄さんが、鏡越しに俺の顔を見てにっこり笑う。
義兄さんは、俺の姉貴にはもったいないくらいのイイ男。
背も高いし、顔だってめちゃくちゃ整ってる。
その顔と体型で、高校生の頃モデルにスカウトされたくらいだ。
モデルはすぐにやめたらしいし、その頃の事は思い出したくないって言う義兄さんだけど。
義兄さんのお母さんが、その頃の雑誌を全部押入れに隠し持っていて。
姉貴はその雑誌をこっそり出しては、鼻の下を伸ばしながら眺めているらしい。
つまり俺の姉貴は、義兄さんにベタボレなんだな。
「まだあるんだ?」
クスッと目を細めて笑う義兄さん。
なんだかちょっと恥ずかしかったけど、俺はそのまま話を続けた。
「おとなしくて、口が固そうだし。
不倫してるなんて、絶対人にしゃべりそうにない。
そういう子だと、相手の男は不倫しやすいだろう?
絶対、いいように利用されてるんだ」
そんな卑怯な男のこと、純粋に想って。
バカ過ぎる。
「なぁ、拓海」
義兄さんが、鏡越しに俺の顔を見てにっこり笑う。
義兄さんは、俺の姉貴にはもったいないくらいのイイ男。
背も高いし、顔だってめちゃくちゃ整ってる。
その顔と体型で、高校生の頃モデルにスカウトされたくらいだ。
モデルはすぐにやめたらしいし、その頃の事は思い出したくないって言う義兄さんだけど。
義兄さんのお母さんが、その頃の雑誌を全部押入れに隠し持っていて。
姉貴はその雑誌をこっそり出しては、鼻の下を伸ばしながら眺めているらしい。
つまり俺の姉貴は、義兄さんにベタボレなんだな。