心を全部奪って
「金曜の夜、ですか」


「難しいかな…?」


別に予定は何もないけど。


どうしたらいいかな…。


「部屋以外で会うなら、いいですよ…」


「えっ、まじで?」


パッと顔が明るくなる霧島さん。


「もちろん外だよ。

外に決まってる。

あっ、どうせなら

観覧車に乗らないか?」


「観覧車?」


意外なものが出て来て、思わず聞き返してしまった。


「臨海地区にあるだろ?

大きな観覧車が。

乗ったことある?」


「ううん。

一度もない。

でも。

きっと、乗ったら夜景が綺麗でしょうね」


「俺も乗ったことはないけど、多分すげー綺麗なんじゃないかなって思うよ」


「そうだよね…」


見てみたいな…。


観覧車のてっぺんから見た大都会の夜景を…。

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