心を全部奪って
幸せな日曜日だった。


朝8時には彼女のアパートに迎えに行って。


真っ青に晴れた空の下、


小さな車を走らせた。


大好きな音楽を聴きながら。


窓を全開にして…。



強風に負けないくらいの大声で俺が歌うと、


彼女は風に舞う長い髪を手で押さえながら、


呆れたれたような顔をする。


でもしばらくすると


クスクス笑って、


そのうち


一緒に歌ってくれた。


それが嬉しくて、


バカみたいに


何度も


何度も歌った。



ひどく音痴な歌を。



キミに捧げる



愛の歌を…。

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