心を全部奪って
タクシーで家に戻り、リビングでくつろいでいると、母がお茶を運んで来てくれた。
「私、お風呂の準備をしてきますね」
そう言って母は、部屋を出て行った。
父と二人きり。
テレビがついているから、静かではないけど。
会話がなくて、なんとなく落ち着かない。
そんな空気を誤魔化すように、ズズッとお茶を口にした。
「ひまり」
それまでテレビをじっと観ていた父が、突然口を開いた。
その声に、ドキッと心臓が跳ねてしまう。
「東京にはいつ戻るんだ?」
実家に帰って一週間。
有給をとって来たと嘘をついたけど。
あまりに長い休暇に、さすがの父もおかしいと思ったのかもしれない。
「私、お風呂の準備をしてきますね」
そう言って母は、部屋を出て行った。
父と二人きり。
テレビがついているから、静かではないけど。
会話がなくて、なんとなく落ち着かない。
そんな空気を誤魔化すように、ズズッとお茶を口にした。
「ひまり」
それまでテレビをじっと観ていた父が、突然口を開いた。
その声に、ドキッと心臓が跳ねてしまう。
「東京にはいつ戻るんだ?」
実家に帰って一週間。
有給をとって来たと嘘をついたけど。
あまりに長い休暇に、さすがの父もおかしいと思ったのかもしれない。