心を全部奪って
もし時間をあの日に戻せるなら


私は工藤さんと綺麗に別れて


霧島君のもとに走りたい




霧島君の腕の中で


沢山泣いて


泣くだけ泣いて


空っぽになるまで泣いて



そうしたら


霧島君は


面白いことを言って


私をからかって


またあのひどい歌を歌って


いっぱい


いっぱい


笑わせてくれるんだ




そして


いつの間にか私は


笑顔になってしまうんだろう




あぁ


バカだ


今頃


ハッキリ気付いちゃうなんて




霧島君…





霧島君が好きみたい


知らない間に


あなたにすっかり


心を奪われていたんだ




会いたい


あの眩しい笑顔を


もう一度見たいよ



だけどもう……




その時だった



玄関のインターホンが



ピンポーンと鳴った

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