心を全部奪って

「よし、焼けた」


オーブントースターから、アルミホイルに乗ったささみの梅しそ巻きを取り出す。


フライパンを使わなくていいから、この料理はとってもラクチンなんだ。


ピーッピーッと炊飯器の音がする。


炊き込みご飯うまく炊けたかな?


軽くおこげが付いていたら、なお良いんだけど。


冷蔵庫から、冷やしておいた野菜のマリネを取り出す。


お味噌汁の味を整えたら、夕飯の完成だ。


ちょうどテーブルに準備が整った頃、霧島君がお風呂から出て来た。


「うっわ。すげーうまそう」


「うーん。

味は保証出来ないけど」


こればっかりは好みがあるしね。


「早速食おう」


そう言うと霧島君は、冷蔵庫からペットボトルに入ったお茶とグラスを持って来てくれた。

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