心を全部奪って
「お礼って、なに?」
霧島君が、きゅっと目を細める。
「あの、えと。
美帆ちゃんに聞いたの。
霧島君が同期の人達や色んな人達に声をかけて、私だけ退職するのはおかしいっていう意見を集めてくれてるって。
すごく、嬉しかった…」
「あぁ…、あれか。
うん。
みんなの意見を集めて、会社に提出したよ」
「提出したの?」
「あ、聞いてない?」
「うん」
美帆ちゃんからは提出するかもしれない、とまでしか聞いてなかった。
「そうしたらさ、人事が動いて」
「え……」
ゴクリと息を呑むと、霧島君はなぜか少し悲しそうな顔をした。
「工藤課長は、九州営業所の所長になったよ」
「九州…?」
それってもしかして……。
左遷?
そうだよ。
そうに違いない。
霧島君が、きゅっと目を細める。
「あの、えと。
美帆ちゃんに聞いたの。
霧島君が同期の人達や色んな人達に声をかけて、私だけ退職するのはおかしいっていう意見を集めてくれてるって。
すごく、嬉しかった…」
「あぁ…、あれか。
うん。
みんなの意見を集めて、会社に提出したよ」
「提出したの?」
「あ、聞いてない?」
「うん」
美帆ちゃんからは提出するかもしれない、とまでしか聞いてなかった。
「そうしたらさ、人事が動いて」
「え……」
ゴクリと息を呑むと、霧島君はなぜか少し悲しそうな顔をした。
「工藤課長は、九州営業所の所長になったよ」
「九州…?」
それってもしかして……。
左遷?
そうだよ。
そうに違いない。