心を全部奪って
ひまりの頬をそっと包み込んで、親指で唇をなぞる。


うっとりとした顔のひまりの唇に、俺は自分の唇を重ねた。


狭いワンルームに、濡れたリップ音が響き渡る。


混ざり合う吐息、絡め合う舌。


全てを絞り取るように味わいながら、


俺の右手はひまりの熱くなった場所を探り始めていた。


俺の指がいたずらに動くたび、


重ねた唇の隙間からひまりの甘い声が漏れる。


そんな可愛い声を出されたら、


優しくしてあげられそうにないのに。


今…、確かにこの指先に感じるキミからの愛。


もっともっと熱く


俺に絡みつけばいい。

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