心を全部奪って
天井に貼られた星のシールが揺れる。


まるで流星群のよう。


二人の動きに共鳴して、ベッドの軋む音がする。


時折、せつない表情をする霧島君。


その顔に、なぜか胸が締め付けられてしまう。


すがるように両手を伸ばしたら、その手を霧島君が受け取ってくれて。


ぎゅっと互いの指を絡め合った。


今こうしてあなたと熱く結ばれていることに、


なんだか泣きそうになる。


いつの間に私は、


こんなにあなたを好きになっていたんだろう。


好きになればなるほど、


それまでの自分を恥ずかしく思ってしまう。


奥さんがいる人を愛した自分。


罪を犯した自分。


罪で穢れた自分。


あなたがあまりに眩しいから、


自分の罪の全てを明るみにさらけ出すようで、


ひどく怖い気持ちになる。

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