心を全部奪って
あの日、ナオトさんが提案してくれたのは、居酒屋のアルバイトのことだった。
最初はイヤがっていた霧島君だったけど、全然知らない職場より安心かもしれないと言ってくれて。
帰る頃にはひまりをお願いしますと、ナオトさんに頭を下げてくれた。
知り合いの店でアルバイトをすることになったから東京に残ると言った私に、両親はすごく驚いていたけど、特に反対されることはなかった。
これでもうひと安心と思っていたのに、霧島君は何を思ったかその週の土曜日には私の実家まで一緒に来てくれて、なんと両親に会ってくれた。
『今すぐは無理ですが、近い将来ひまりさんと結婚したいと考えています。
頑張って結婚資金を貯めるつもりですので、少し時間をください』
そう言って、頭を下げてくれた。
胸がいっぱいだった。
そんなひたむきな霧島君の思いが通じたのか、お父さんもお母さんも一目で霧島君を気に入ってくれて。
二人のタイミングの良い時に、結婚したらいいと言ってくれた。
こうして私は東京に残り、居酒屋ナオトでのアルバイトが始まったのだった。
最初はイヤがっていた霧島君だったけど、全然知らない職場より安心かもしれないと言ってくれて。
帰る頃にはひまりをお願いしますと、ナオトさんに頭を下げてくれた。
知り合いの店でアルバイトをすることになったから東京に残ると言った私に、両親はすごく驚いていたけど、特に反対されることはなかった。
これでもうひと安心と思っていたのに、霧島君は何を思ったかその週の土曜日には私の実家まで一緒に来てくれて、なんと両親に会ってくれた。
『今すぐは無理ですが、近い将来ひまりさんと結婚したいと考えています。
頑張って結婚資金を貯めるつもりですので、少し時間をください』
そう言って、頭を下げてくれた。
胸がいっぱいだった。
そんなひたむきな霧島君の思いが通じたのか、お父さんもお母さんも一目で霧島君を気に入ってくれて。
二人のタイミングの良い時に、結婚したらいいと言ってくれた。
こうして私は東京に残り、居酒屋ナオトでのアルバイトが始まったのだった。