心を全部奪って
会議室に響き渡る弾むようなリップ音。


軽いキスのはずが、次第に舌を絡ませ合う深いキスへと変わっていく。


工藤さんの手が、私のスカートの中に潜り込む。


だめとその手首を掴むけど。


工藤さんの甘いキスに溶かされて、阻止したくても阻止できそうにない。


ここ、会社なのに…。


隣では会議が行われているのに…。


給湯室も近いし、いつ誰が入って来るかわからない。


それなのに…。


理性と欲望が渦巻いて、おかしくなってしまいそう。


でも、やっぱりだめ。


抑えなきゃ。


必死に首を振って唇を離すと、工藤さんがスカートの中に入っている手の動きを止めた。


せつなそうに私を見つめる工藤さん。


「すまない…。

こうしていると、抑えられなくて…」


そう言って私を抱きしめる工藤さん。


ううんと、首を横に振った。


私だって同じ。


本当はもう限界。

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