心を全部奪って
定時で会社を飛び出し、この時間は混雑するから絶対に乗りたくない路線に乗り、


指定されたビルの17階に到着すると、


エレベーターホールで霧島さんが仁王立ちで待っていた。


「遅い!」


「なっ。

これでも必死に走って来たのよ!」


そ、そりゃ確かに18時は過ぎちゃったけど。


「これですよね?封筒…」


そう言ってバッグのファスナーを開けようとしたら、霧島さんにその手を引っ張られた。


「モタモタすんな!

時間がねーんだよ!」


そう言って私の腕を引いて、スタスタと歩き始める霧島さん。


えーーー!


なんで私を連れて行くーーー?

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