心を全部奪って
「ジュンとリョウがうるさかったろ?

アイツら、いっつもああなんだ」


「ううん。全然そんなことない。

二人とも明るくて、すごく良い人」


人見知りをしちゃう私の心を、パッと開いてくれて。


初対面でもすごく話しやすかった。


四人の話を聞いているだけでも、すごく面白かったな。


「いいね。大学時代の仲間って」


「うん。

あいつらみんな良いヤツだろ?

俺の自慢の友達だよ。

俺がこの町に住んでるのも、ナオトの店が近くにあるからなんだ。

あそこに行けば、大学時代の仲間に大勢会えるからな」


「いいなあ。

うらやましいよ。

全然寂しくないでしょう?

あんなに明るい仲間がいたら」


「うん。

寂しくないよ」


あんな良い友達が沢山いるってことは、


霧島さんも同じようにいい人なのかもしれない。


それなのにどうして、


奴隷になれだなんて脅すのかな…?


「お前も、いつでも行っていいから」


「え…?」


どういう…意味…?

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