本当の私と恋
ディナーも終盤、後はデザートだけとなっていた時・・・

「あれ…もしかして、中谷さん?」
横から声が聞こえた。

美和の友人なんだと思ってたけど、顔を見たとき・・・
“この人…会社の人だ。
 確か、同期の女の子たちがキャーキャー言ってた人。
 えっと…桐生部長…だったかな??”


「あっ…桐生部長。こんなところでお会いするなんて。
 部長お仕事ですか?」

「今日はプライベートですよ。
 中谷さんは?どうしてこちらに?
 この店、会員じゃないと入れないでしょ。」

確かにそうなのだ。父親の力で入ったのだから…

「まあそうですね。色々とありまして…」

美和も苦しそうな回答をしている。
美和も私も実家の事はあえて話をしていないから。
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