本当の私と恋
『美和大丈夫?部長でしょ?』


「うん、そうなんだけど…
 今友達と食事をしていたみたいで、終わったから迎えに来るって…」


そっか。彼氏とかができるとお迎えとかしてもらえるんだ。
ちょっとうらやましいな。
私の人生でお迎えに来てくれた人はいるけど、それは全部仕事として。
社長の娘を迎えにきたってことだけで…


そんなことを思いながら、美和のお迎えを待っていた。

帰り仕度を終えると私は化粧室に立った。


そして、リップを直して鏡を見た…

『美和みたいなあんなかわいい顔できないな…』

私は独り言を発して、すぐに言葉を止めた…

独り言を言うなんて…恥ずかし。

少し赤くなった頬を見ながら私は化粧室を後にした。
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