本当の私と恋
「美咲、待って。
 何かあったよね。
 この時間に美咲が電話してくるなんて今までなかった。
 急な用事なんじゃないのか?」

幸樹さんは本当に鋭い。
いつもなら幸樹さんが仕事中は電話を避けてメールにしていた。
時間ができた時に幸樹さんが電話をかけてきてくれるのだ。
でも、今は私的には緊急事態。って思ったけど…
やっぱり、急がしい幸樹さんの手を煩わせることはできなくて。

『あの…』

「美咲。付き合い始めたとき言ったよね。
 美咲はただの彼女じゃない。
 近い将来俺の嫁さんになるんだ。
 それなのにその嫁さんの一大事に俺は蚊帳の外?」

『そんなんじゃないです。
 そんなんじゃないんですけど、』

「言ってくれなくちゃ分からない。
 俺はどんなことより美咲を優先したいと思ってる」
< 81 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop