優しい世界の愛し方
ガシッと。


またもやつかまれた。


今度は肩ではなく腕だ。


振りかえると、来栖くんは不思議そうな顔で私を見ていた。

「どこいくの?」
「え? いや、帰るんだけど」

そう言うと、彼は、ああ!

といった感じの顔になった。

「おっけー! 一緒に帰ろうってことだね!」


……は?


「いやいやいや、なんでそうなんのよ。私がいつ一緒に帰ろうって言った」


この流れからどうしてそうなった。


「だって俺、さっき言ったでしょ?」
「何を」
「話聞くって」

話?
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