異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
ゆうべオレのオリジナル設計図について熱く語った時のキラキラした表情や、オレがラモット班長に誉められたときの嬉しそうなリズの姿は、日記の中のフェティとよく似ている。
「ほら、この得意げな表情、君にそっくりじゃないか。だからこの人が大叔母さんなのかなって思ったんだよ」
「え、そうかな。似てるって言われたの初めてよ」
そう言ってリズは照れくさそうに笑う。センサの捉えたリズの感情が徐々に昂揚していくのがわかった。
小生意気で口の減らないリズは、いつも自信満々に見えてたけど、案外コンプレックスを持っていることがわかって以前より親しみを覚えた。
自分で発明をしたことがないとか、美女の大叔母さんと比べられて気落ちしてたりとか。
ちょっとかわいいじゃないか。
って、うっかりマスターに胸キュンしてどうする。心臓もないのに。
挙動不審になってなかっただろうか。少し気になってどぎまぎしながらリズを窺う。リズは全く気づいていない様子で、嬉しそうに笑いながらこちらを見た。
「なんか、その日記見るのが楽しみになってきたわ。今日は早めに仕事終わらせちゃおう」
「う、うん。がんばって」
リズが仕事に戻って、オレもホッと息をつく。心まで掌握されてなくてよかったとつくづく思った。
こんなのばれたら、またエロボット呼ばわりされる。ぜんぜんエロくないけど。
ピュアなリズにしてみれば、体はともかく中身のオレなんか汚れまくってるんだろうけどな。
エロ本を見たことあるって知られただけで、また痛い命令を受けそうな気がする。
エロに関する薄汚れた黒歴史は心の中に封印して、日記の続きに戻ることにした。