異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
しばし気まずい沈黙の後、班長はオレに命令した。
「シーナ、無駄口はそのくらいにして店内の様子を探れ。リズは速やかに通信車両に退去してくれ」
「了解しました」
リズと一緒に返事をして、それぞれ仕事に就く。リズが通信車両の中に入るのを見届けて、オレは店内の様子をセンサで探る。
少ししてリズから通信が入った。
「シーナ、聞こえてる?」
「あぁ。なに?」
「ここからの通信は初めてだから、テストも兼ねて店内の見取り図を送信するわね」
「了解」
「ラモットさんにも送りますので、よろしくお願いします」
「承知した」
班長が胸ポケットから通信端末を取り出して操作する。程なくリズからオレの頭の中に店内の見取り図が送られてきた。
班長にも届いたようで、黙ってオレの目の前に通信端末の画面を差し出す。
「同じものです」
「そうか。リズ、通信機能に問題はない」
「わかりました。引き続きシーナのモニタリングを行います」
「承知した」
改めて店内の様子を確認する。外からでは生体反応と人数くらいしかわからないが、リズが送ってくれた見取り図のおかげで居場所もだいたい把握できる。
オレは関知した情報を班長に報告した。
「入り口から右手にひとり分の生体反応。店内には他に生体反応はありません」
「そうか。ロボットがどこにいるかわかればなぁ」
「見てきましょうか?」
班長のつぶやきに思わず反応してしまい、内心しまったと舌打ちする。班長はオレが口出しするのを快く思わないのだ。