異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
元の場所に戻ってみると、班長はすでにリズからオレのモニタリング映像を受け取って見ていた。
思案顔で映像を何度も見直してはブツブツ言っている。人質救出作戦を組み立てているのだろう。
声をかけるのははばかられるが、報告を怠ると間違いなく怒鳴られるので報告する。
「シーナ戻りました。人質の女性は特に拘束されていないようです。犯人のロボットについては、武器の所持と内蔵はないことを確認しました」
「そうか」
班長は通信端末を胸ポケットに収めて、肩に取り付けた通信機に向かって呼びかけた。
「ガリウス、犯人からの要求はまだか?」
オレの肩からも通信内容が聞こえてくる。初動捜査班の班長、ガリウス=グランが呼びかけに応えた。
「まだだ。こちらからの呼びかけにも一切応じない」
「そうか」
まだ要求がないのか。
立てこもりなんて、何か要求したいものでもない限りやらないだろうに。十中八九捕まるんだから。「世間を騒がせてみたかった」とかいうアホな理由も考えられるが、奴のマスターがそんなこと考えてるんだろうか。
オレがそんなことを考えている間に、ラモット班長とガリウス班長の間で話がまとまったようだ。
「これから強行突入作戦に移行する。犯人に何か動きがあったらすぐに知らせてくれ」
「了解」
そしてラモット班長は通信機と周りに向かって同時に呼びかけた。
「機動捜査班の各チームリーダーは集合してくれ」
集まってきたチームリーダーたちに、班長は作戦を説明して捜査員の配置を指示する。オレはいつも通り突入チームの最前線。今回はシャスを含めたフェランドのチームと一緒に突入だ。
作戦ではオレが入り口の扉を破壊して店内に突入しロボットを拘束。その隙にフェランドのチームが人質を救出する。