異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
二課長はその様子を一部始終見ていたらしい。
「ラモット君を助けたロボットはバージュモデルだったんだ。あの時彼は言ってたな。絶対命令が起動して、自分を犠牲にしてまで見ず知らずの人間を助け、無事を喜んで笑いながら死んでいくなんて堪らないって。君と違ってあのロボットは強化ボディじゃなかったからね。当たりどころが悪くて機能停止しちゃったんだよ」
なるほど。そりゃいたたたまれないな。
昔の痛みを思い出すから、班長はロボット、特にバージュモデルとかかわりたくないのか。
話を聞き終わって、ロティがにこにこしながら宣言する。
「ラモットさんって優しい方なんですね。私も彼に優しくしようと思います」
いや、それたぶん逆効果だから。
ずっと嫌われていると思っていたが、ちょっと違うってことがわかってすっきりした。むしろ班長の屈折した感情表現ってなんか微笑ましく思える。
なんて言ったら益々オレを避けるようになるだろうから、二課長との約束だし、聞かなかったことにしておこう。