異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
ひしめいていたむさ苦しいヤローどもは、二課長と直属上司の指示で、次々に捜査で出かけていく。気づくと二課長の他は、シャスとフェランドと班長とオレだけになっていた。ロティもどこかに行ってしまったらしい。
フェランドは飽きもせずオレと班長を眺めてニヤニヤしている。その様子にシャスは呆れたように一息ついて席を立った。
「フェランドさん、ヒマならつき合ってください。飛行装置の訓練場に行きましょう」
「ん? あぁ」
シャスに促されてようやくフェランドはオレたちから視線をそらす。そして気怠げに立ち上がった。
「じゃあ班長、訓練場に行ってきます」
「あぁ。ついでに射撃の訓練もしてこい。こいつがオレに張り付いてて使えねぇから、おまえらが違法ロボットを確保しなきゃならないんだ」
「はい」
「そういやぁ、しばらく銃を握ってねぇな。シーナのおかげだな」
そう言ってフェランドはオレに笑顔を向ける。
そっか。オレが配属になるまではみんなが銃で違法ロボットの機能を麻痺させてから確保してたんだ。
結構危険だよな。初仕事の時みたいに猛スピードで突進してくる奴を撃ち損ねたら、次の瞬間には死んでるかもしれない。
フェランドがシャスの肩を叩いて言う。
「じゃ、射撃の方はオレがシャスに手ほどきを受けようかな」
「オレでお役に立てるなら」
ふたりが笑い合っているのに、つられてオレも笑う。するとフェランドが不思議そうに目を見張った。
「ん? もしかしてシーナは知らないのか?」
「え? なにを、ですか?」
「飛行装置はヘロヘロだけど、シャスは新人ながら射撃の腕は機動捜査班で一番なんだぞ」
「へぇぇ」
料理の腕なら一番だと知ってたけど。