異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
オレはすかさず車内の通信機に向かって、報告する。
「班長、この動物ロボットが時限爆弾を内蔵しています! 時限装置は未作動です」
「わかった。一般三課の方にはすぐに連絡する。おまえはそいつをしっかり捕まえていろ。まわりの人間には退避を促せ」
「了解しました」
握っていたリードを手首に何度も巻き付けて、オレは猫を両腕で抱えるようにしゃがみこむ。そして音声のボリュームを拡声モードに切り替え、まわりに告げた。
「爆発物発見! みなさん、私から離れてください!」
一瞬、周り中から注目を浴びる。次の瞬間、オレの周囲から波が退くように、捜査員たちが撤退していった。オレは猫を抱えて大きな道路の真ん中に移動する。班長とリズが乗った車から離れた方がいいと思ったからだ。
幸い猫ロボットは暴れることもなく、おとなしくオレに抱かれている。爆発物処理班が来るまで、このままじっとしていてほしい。
車の窓からは、先ほどより一層不安げな表情でリズがこちらを見つめていた。