異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
24.捜索開始



 局内にいるのか、あるいは外へ出たのか、とりあえずそこだけでも明確にしておかなければ。

「二課長、研究室の扉を開けてもらえませんか? あと、ラモット班長に退室許可命令をお願いしたいんですが」

 リズがいなければオレはここから出られない。リズ以外にオレへの命令権限を持っている班長に許可してもらわなければ。
 少し焦っているオレとは対照的に、二課長は落ち着いた様子でオレを諭す。

「まぁ、待ちたまえ。彼女は病み上がりだから、疲れて少し長めに休憩をとっているだけかもしれない。だとしたら大げさに騒いだら気の毒だろう。彼女が研究室に戻ってきたとき、君がいなかったら今度は彼女が心配して探し回ることになりかねない。まずは確認しよう。君が実際に動くのはその後でいい」

 確かにリズが許可していないのにオレが研究室からいなくなっていたら、リズが驚くだろう。

「わかりました」
「うむ」

 二課長の満足げな声が聞こえた。
 局の入退管理情報と局内施設の入退管理情報を確認するとなるとしばらく待たなければならない。
 なにもわかってないトロロンが、小さく鳴きながらオレの腕に額をすり寄せてきた。ちょっとだけ苛つく気持ちが和らいだ気がする。
 トロロンの頭をポンポンと撫でて、待ちの体制に入ったとき、再び二課長の声が聞こえた。

「じゃあ、早速動いてもらうよ、シーナ」
「はい?」

 待つんじゃなかったのか?

「ただし、動かすのは体じゃなくて君の優秀な頭脳だ」
「はい……」

 なにか計算でもするのか?

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