異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
薄笑いを浮かべたまま、グリュデがリズを促す。
「さぁ、レグリーズさん。改めてシーナに命令をどうぞ」
リズはチラリとオレに視線を送った後、正面のグリュデを見据えて言い放った。
「シーナ、命令よ。グリュデさんとその配下の言うことを聞かないで」
「了解しました、マスター」
返事は人工知能にまかせて、オレは拘束された腕を持ち上げる。そして目の前で勢いよく左右に開いた。
手首を繋いだ強化合金製の手錠が、いともあっさりと真ん中から真っ二つにちぎれる。それを見てグリュデは楽しそうに手をたたいた。
「すばらしい! 君の力をこの場で目にできるとは思っていなかった。その手錠は科学技術局では一番頑丈なものなんだけどねぇ」
警察局の違法ロボット拘束用の手錠の方が頑丈だけどな。餅は餅屋ってことか。
目を輝かせて感心していたグリュデが、徐々に真顔になっていく。冷たい怒りを孕んだ目がオレを睨めつけた。
「だが君たちは私の提示した条件を飲むつもりはないようだ」
うーん。怒ってるなぁ。感情は読めないけど、なんかオーラが出てる気がする。キレて自分からボロを出してくれないかな。ちょっと挑発してみるか。