異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
「で、結局ソースコードってどこにあるの?」
オレの質問を丸っきり無視して、リズは脈絡のないことを尋ねる。
「ねぇ、バッテリはまだ大丈夫?」
「は? あんまり大丈夫じゃないけど、なんの関係が……」
「あなたにちょっと働いてもらいたいのよ。念のためケーブル繋いで」
「はいはい」
オレは言われた通りに、シャツをめくって腰にケーブルを繋ぐ。警察局の制服じゃないから脱がなくていいのが楽だ。
それを見届けて、リズはムートンの頭をポンポンと叩いた。彼の青い目玉が点灯し、省電力モードから通常モードに切り替わる。
目覚めたムートンはリズの方にクルリと頭を向けて目玉を点滅させた。
「コンバンハ、リズ。ナニカゴヨウデスカ?」
「ムートン、起こしてごめんね。今からシーナがアクセスするから受け入れてね」
「カシコマリマシタ」
愛おしげに目を細めて、リズは再びムートンの頭をポンポンと叩く。そしてオレを手招きした。
「もうわかったでしょう? ソースコードはムートンの中にあるの。許可するわ、シーナ。ムートンのメモリにアクセスして取り出して」
「了解」
さっそくムートンのメモリに接続し、アクセスを開始する。レトロなロボットは記憶領域も狭く、すぐに怪しいフォルダを発見した。学習用記憶領域の隙間に隠された鍵つきのフォルダ。しかも全記憶容量の半分を占めるバカでかさ。
オレがそのフォルダに触れた途端に、ムートンの目玉が点滅した。機械音声が要求を告げる。
「キーワードヲドウゾ」