異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
内心は驚愕に叫びそうになってるけど、表情は微笑のまま、オレはバージュ博士のメッセージを淡々と伝えた。
「愛しているよ、リズ。君に出会えて一緒に過ごした日々はとても幸せだった。君のこれからの人生が幸せであるように、ずっと祈っているから」
静かな祈りを最後に、バージュ博士のメッセージは終わった。
愛してるなんて自分の口から出ると、なんか照れくさいな。そういう意味じゃないことはわかってるけど。
「ランシュ……」
懐かしそうにオレを見つめるリズがポツリとつぶやく。バージュ博士と共に暮らしていた頃の小さな子供に戻っているみたいだ。
声紋が一緒だしちょっとトーンを変えるだけで彼の声なら再現できる。
オレはおじいちゃんになったつもりで、微笑みながら両手を広げた。
「おいで、リズ」
ゆっくりと歩み寄ったリズは、オレの胸に額をつけてしがみつく。
「長い間ひとりで、よく頑張ったね」
「うん……」
何度も頷くリズの頭を撫でながら、オレは彼女を腕の中に包み込んだ。